社労士試験でも重要になってきている判例について、その読み方を学ぶことのできる1冊を紹介します。
はじめに
こんにちは!
中高年の方の学び・資格取得を応援しているワタルです。
社労士試験に関する書籍やテキスト等でも判例を取り扱っているものが増えてきている印象を受けます。
そうした書籍にも判例の読み方等は記載されていると思いますが、こちらの書籍もコンパクトながら、大事なことを読書感覚で学ぶことができます。
書籍の概要
今回ご紹介する書籍はコチラです。
有斐閣 2017年4月発行
著者は青木人志(あおきひとし)先生です。
書籍に記載されているプロフィールによりますと、一橋大学大学院法学研究科教授をされていらっしゃいます。
では、まず、本書の目次を確認していきます。
- 序:獅子王と鷲王の会話 シッシー・ワッシーの誕生秘話
- 1:判例って何?
- 2:民事判例の読み方
- 3:刑事判例の読み方
- 4:おわりに
という構成になっています。非常にシンプルで分かりやすいですね!
目次にも記載のあるとおり、民事判例と刑事判例に分けられていて、それぞれの読み方を学ぶことが出来ます。
読み方といっても「判例のココをまず見よう!」「ここだけ抑えれば大丈夫」といった内容ではなく、どちらかというと判例を読むための「考え方」を学ぶという方が適切かもしれません。
民事判例、刑事判例ともに過去の判例が1つずつ取り上げられており、その判例を追いながら解説が加えられていきます。
難しい内容ではありませんので、安心して読めますよ!
勉強になった点・気になった点
私が個人的に特に印象に残っている文章を3つ紹介します。
判例の細部にとらわれすぎてはいけない
判例を勉強するにあたりかなり細かい事情まで書いてある場合もありますが、そこに捉われすぎてしまうと全体が見えなくなってしまうこともあるので要注意です。
社労士試験の勉強において判決文をまるまる読むということはないと思いますが、本書に記載されている「判例を読む時の6つのポイント」をしっかりと意識して取り組むことが大切です。
民事と刑事の違い
大学などで法律を学んでいた方にとっては当たり前のことかもしれませんが、民事と刑事では言葉づかい、仕組み、考え方がだいぶ違うのだなということを今更ながら学びました。
・民事では原告と被告、刑事では検察官と被告人。
・刑事事件では弁護士は必須。
・類推適用が認められるのは民事だけ。
これらは今回私が初めて知ったことでした。
これって当たり前ですか!?
もし、こうした点について自分も知らないよーというお仲間の方がいらっしゃいましたら、この機会にぜひ学んでしまいましょう!
本書の記載は基本的に対話形式です
対話形式の参考書ってたまにありますよね。対話形式じゃないにしても、以前は受験参考書に「実況中継シリーズ」とかがありました。
私はこうした形式の書籍が読みやすくて比較的好きなのですが、本書も対話形式が採用されています。
ただし、本書の場合は1点だけ注意して起きていただきたい点もあります。
それは対話の中に「雑談が多い!」という点です。
たまに面白い、どうでもいい雑談があるのは息抜きにもなりますし有難いと思うのですが、本書では「また?」「まだ続くの?」という所が結構あります。
そういうのが苦手、イライラしてしまうという方は本書は避けた方がよいと思われます。または思い切ってそうした箇所はどんどん読み飛ばして、必要なところだけを取り入れていくようにしてください。
そんな気になる点もありますが、判例の考え方を学ぶには非常に良い本だと思います。
おわりに
今回は「判例の読み方」を紹介させていただきました。
こちらの書籍はシリーズものとなっておりまして、「判例の読み方」以外にも、「法律の学び方 」と「条文の読み方」という2冊があります。

「法律の学び方」はまさしく「法とは何か?」といった内容、「条文の読み方」は条文の構成やよく使われる用語などの解説がされています。
私は「条文の読み方」という書籍が一番好きなのですが、これらの書籍も非常に勉強になります。
ついつい忘れてしまいがちですが社労士試験も「法律の試験」ですよー!!
これら2冊についてもいずれご紹介させていただきたいと思っておりますが、まずは昨今、試験内でも比重が高まってきつつある判例について苦手意識を持つことがないよう、本書などを活用して早いうちから対策したいですね!
ちなみに特定社労士の勉強をするときは嫌でも判例を調べ、勉強することになりますので、後々のステップアップにもぜひご活用ください。